こだわり夫婦のお出かけブログ

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沖縄旅行記(2017年 秋)⑤<戦跡>前田高地(浦添ようどれ館)

『ハクソーリッジ』の舞台「前田高地」を歩く

沖縄好きの方でもあまり聞きなれない場所かも知れませんが、私たちの今回の旅行の最大の目的地はここ「前田高地」です。

場所は浦添グスク跡になります。

その跡地を管理する「ようどれ館」という事務所 兼 案内所があって、そこへ行くと10台程止められる駐車場(無料)があります。その会館の中にはとても親切な所員の方々がおられていろいろ教えて下さいます。

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「ようどれ館」へは、かなり細い民家の間の坂道を登っていきます。「うそ?ホントにこの道であってる?」みたいな。私たちのレンタカーのカーナビでは施設検索はもちろん電話番号検索もできませんでので、住所を控えておいた方が良いです。

浦添グスク・ようどれ館ご利用案内 | 浦添市

 

「前田高地」は、第二次世界大戦において日本国内で唯一の地上戦となった沖縄戦においても、最大の激戦地の一つに挙げられる場所です。そして2017年6月にここを舞台にした映画が公開されています。『ハクソーリッジ』です。ご覧になりましたか?

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この映画はアメリカ軍の衛生兵「デズモンド・ドス」にスポットを当てた実話です。

高さ150メートルの断崖絶壁の上で繰り広げられる激戦の中、宗教上の理由から武器を持たずに80名余の負傷兵を一人で救出し、自らも生還するという奇跡的な話です。

実話というリアルさと、かなり忠実に現場を再現していて、引き込まれるような映画でした。

 

そしてその断崖絶壁こそ、この「前田高地」です。

 

崖下から登り迫る米軍を、頂上側で日本軍が迎え撃つという構図です。

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☟そしてこれが実際の写真。

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崖上に立っているのがデズモンド・ドス御本人と言われています。

そしてなんとこのデズモンド・ドスが戦後この前田高地を訪れていらっしゃいます。ようどれ館でその貴重な記念写真があります!(たぶん見せてくださいます)

 

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もちろんこの映画を見て現地を訪れてみるのも意味があるとは思いますが、是非もう一つ下記書籍も読んでおくことをおすすめします↓

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この書籍は、著者・外間(ほかま)さん自身が現地入隊の初年兵として前田高地で戦い、同じく奇跡的な生還をはたされた記録を綴ったものです。

先の映画が米軍側からの視点、この書籍が日本軍側からの視点の内容となっています。

この方は初年兵(いわゆる「新入り」)であったことから、索敵(敵軍の位置を探りながら前進すること)など激戦地の中でも最も死と隣り合わせの最前線で任務に就きながらも生還、という奇跡中の奇跡といってもおかしくない体験が綴られております。

 

実際に現地に行ってみると、鬱蒼とした亜熱帯の森のような所に壕があちこち残っています。壕の写真☟

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↓ここは前田高地の麓の旧日本軍の壕入り口後です(写真下・鉄格子がかかっているところ)。なんと反対側までつながっているとか。

 

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このような狭く暗い洞窟で蒸し暑い沖縄の梅雨の時期に、壕の外に出れば空から海からの艦砲射撃、四方八方から敵軍の銃弾が飛んできたそうです。

壕の中に身を隠せば頭上からの馬乗り攻撃(壕の入り口や掘削機などで開けた穴から手りゅう弾やガス弾を投げ入れたり、火炎放射器の噴射やガソリンを注いで火を放ったりする攻撃のこと)と互いの兵士にとって、もはや正気でない狂気に満ちた戦闘が繰り広げられたそうです。

衛生的にも精神的にも肉体的にも尋常な状況でなかったことが容易に想像できます。

この戦場が『ありったけの地獄を一つにまとめた戦争』といわれた所以が分かった気がしました。

 現在はほとんどの壕が、戦後70年以上が経ち岩盤が下がってきて危険で入れないそうです。(入り口から少し覗くだけでも十分でした…怖い…)

 

そして、この前田高地の戦いの中でも最も多くの死傷者を出し「魔の高地」と呼ばれた場所がワカリジー(別名『為朝岩』『ニードルロック』) という大きな岩の周辺の高地です。一度行くと戻ってくる兵士はほとんどいなかったと言われています。

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このワカリジーに行くには、お墓の中を通り木々をかき分けて入っていく必要があります。少人数で行くには分かりにくい場所ですので、ようどれ館に事前に連絡しガイドをお願いすることをおすすめします。

ちなみに私たちは事前にガイドの予約はしておりませんでしたが、ガイドを頼んでいた夫婦と運よく遭遇し一緒に周らせてもらうことができました。

2時間コース3,000円です。人数で割れるので多い程リーズナブル(^_-)-☆

 

沖縄の戦跡はガイドブックにもほとんど紹介されていないためか、私たちが訪問した時も日曜日にもかかわらずほとんど人はいませんでした。

沖縄は魅力的なリゾート地ですが、過去にこのような戦地となった事実がどんどん風化されている気がしました。

実は私も恥ずかしながら30歳になるまで沖縄戦とは何たるかを知りませんでした。

始めて沖縄へ行く前に妻に勧められこのDVDを見たのが、深く知るようになったきっかけです↓ 岡本喜八監督の『沖縄決戦』です。

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今でも沖縄に行く直前は見ています。結構内容が難しいので1回ですべて理解するのが難しく、見るたびに分かることが多くなる感じです。なのでレンタルより購入の方がいいかもしれません。

 

これらを知って沖縄を訪れると、自分と変わらぬ年齢の男達が戦地へと召集されどれほど無惨に、無念に散ったかを思うと手を合わせずにはいられませんでした。

今の平和とその英霊達に感謝することぐらいしかできませんが、必ず戦跡1ヶ所は訪問するようにしています。

 

今回の旅行のメインだったので、記事が長くなってしまいましたが最後までお読みいただきありがとうございました<(_ _)>

 


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